ジャパン九州ツーリスト株式会社  Japan KYUSHU Tourist

*

We are a specialist of Fukuoka and Kyushu tour
日本人のお客様の団体旅行と外国人のお客様のカスタマイズ旅行の専門会社です

世界遺産物語 第9話 / 官営製鐵所建設の背景 その1

世界遺産物語 第9話 / 官営製鐵所建設の背景 その1
 
●製鉄所建設の歴史的背景
伊藤博文が初代内閣総理大臣に就任した1885年(明治18年)頃の鋼材の民間需要は少なく、
我国の銑鉄の需要の60%はイギリス銑やインド銑に依存しており、鋼材に至っては民間需要の
全量を欧米から輸入していた。
しかし、鉄鋼の国内の需給率の向上は重工業の発展や軍機製造面必要不可欠であり、
一貫製鉄所建設が求められるようになった。
一方で、既に清国漢陽製鉄所が、自国の鉄鉱石を使い、ベルギー人の指導の基で稼働を始め、
日本へ軌条の売込及び九州の石炭の買い付けに訪れた。
これが、日本の製鉄所建設に拍車がかかり、1891年(明治24年)に製鉄所建設構想が始まった。
 
●なぜ釜石製鉄所では駄目だったのか
1880年(明治13年)に操業を開始した官営釜石製鉄所は、イギリス式高炉2基を始め、全ての
設備をイギリスから輸入、外国人技師の指導の基で建設された。
高炉で銑鉄をつくり、バトル炉(反射炉)で錬鉄を製造して、錬鉄圧延製品をつくる製鉄所だった。
錬鉄は鋼に比べて、強度が低く、品質の均質性にも欠き、生産効率も低かった。
いわば、時代遅れのプロセスの設備をイギリスが持ち込んだともいえる。

そこで、高強度、高品質の製品づくりが求められ、鋼を大量生産できる、製鋼設備を備えた
新しい一貫製鉄所の建設が必要であった。

参考)
当時の釜石製鐵所の鉄の年間の生産量は、1890年4,000トン1891年は9,000トンであったが、
ちなみに若戸大橋の鉄の使用料28,000トンから比べても、非常に量的に少なかった。


ー世界遺産物語の目次ー

第一篇 
古来の鉄づくりから官営八幡製鐵所創業までの歩み
・第1話 日本最古の鉄器は糸島で出土
・第2話  種子島に鉄砲伝来
・第3話 江戸幕府の政権安定策と鉄づくり
・第4話 幕末の日本に変化が起きる
・第5話 日本の産業革命の始まり 
・第6話 反射炉で始まった日本の鉄づくり
・第7話 釜石で始まった洋式高炉による鉄づくり

・第8話 釜石から八幡へ
・第9話 官営製鐵所建設の背景 その1 
・第10話 
官営製鐵所建設の背景 その2
・第11話 野呂景義による幻の製鉄所建設計画 
・第12話 
営製鐵所建設地が八幡に決定
・第13話 わずか4年で田畑に製鉄所をつくった偉業
 
第二編 八幡製鐵所創業から終戦までの歩み
・第 1話 八幡製鐵所の苦難の船出
・第 2話 日露戦争が八幡製鐵所拡張に拍車をかける
・第 3話 日露戦争後の反動不況と鉄鋼需要の伸び
・第 4話 第一次世界大戦後に鉄鋼需要が大幅に伸びる
・第 5話 河内貯水池物語
・第 6話 くろがね線物語
・第 7話 高見神社物語
・第 8話 満州事変と洞岡地区の拡張
・第 9話 戦争時代の終焉

 - Blog, ●世界遺産物語